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戦略プロジェクト指導

2つの戦略プロジェクトの系統

現研は戦略プロジェクト指導を事業の柱として展開しました。私たちは戦略プロジェクトを以下の2系統に分けて考えています。

♦特定テーマの戦略の開発・策定に関するプロジェクト
♦社の戦略の実現の鍵となる重要テーマに関するプロジェクト

前者の系統に位置づけられる事業構想づくり、経営構想づくりのプロジェクト指導をご依頼いただくことも多いため、「事業、経営構想づくり」のページと内容が重複するところがありますが、ここではプロジェクトの推進方式に焦点を当てて説明します。

プロジェクトは多彩な個性がぶつかり合い自分を超えていく活動

プロジェクトとは、未知、未踏領域を歩き、新しい発見を続けながら、参加メンバーが自らの限界を破り、新しい世界を切り拓いていく場です。メンバーたちが徹底的に議論を重ねて個性と個性をぶつけ合い、相互に影響を与え合いながらお互いの世界観を拡大していきます。ある一人の胸に宿った想い、ある一人の頭の中に浮かんだ着想に、共鳴者が現れ、その輪がどんどん広がり、それがプロジェクトメンバー全員の夢となってうねりが起こり、さらには顧客をも巻き込む大きな波となって展開されることもあります。
現研の社是は、“自分を超える思考”です。プロジェクトとは、まさに自分を超える思考の場であり、その遂行の場であり、プロジェクトメンバーも現研も共に自分を超えていきます。プロジェクトをやり切ることを通じてクライアント企業もこれまでの自社を超えて成長します。
プロジェクトが豊かなアウトプットを生むために、多様性あるインプットが条件となります。その条件を可能にするのは、一人ひとりの個性とオリジナリティが存分に発揮される自由なプロジェクト風土です。この風土のもとでメンバーたちの多彩な個性がぶつかり合い、多様なアイディア生まれ、それがシステム、構想、戦略のかたちへと昇華されることでプロジェクトの成果は豊かなものになります。
現研のプロジェクト指導は、プロジェクトメンバーと連帯し、自由な風土と闊達な議論を土台に推進し、経営の期待に応える創造的成果へと導きます。

ネットワーク思考、システムズアプローチを織り込んだプロジェクト設計と成果の創出 

戦略プロジェクトをどう進めるか。プロジェクトの使命、目的を明確にし、挑戦テーマ群を決定し、各テーマの到達像を描き、そこに到達するシナリオの仮説をつくります。これがプロジェクト設計の段階です。現在の競争
状況下、私たちは事業そのものを単独でとらえるのではなく、そこに張り巡らされているネットワークの働きを顕在化させ、またそこで機能し得る最適なシステムを探索する意識をもってプロジェクト設計をします。
例えば次のように思考が求められます。
競合企業と自社の競争力比較であれば、個社同士の関係を超えて相互のサプライチェーン競争力を把握して比較分析する必要があります。
製品戦略であれば、優れた製品をつくり上げることに加えて、何らかのプラットフォームを活用するか、自らつくるかして顧客の要望に最適解で応えながら販売へとつなげていくようなビジネスモデル発想が不可欠です。
海外に多拠点を有する会社の人事制度改革プロジェクトであれば、グローバルタレントマネジメントを人材戦略に組み込んだ展開が求められます。

プロジェクトのテーマ群はこのような視点を組み入れて設定されます。そしてテーマ群の相互の有機的なつながりを明確にした全体像を描き、全員で共有します。

このようなプロジェクト設計のフレームワークを共有しながらプロジェクトの行動を積み重ね、最終的に創出されるプロジェクト成果も、ネットワークの競争力を高め、自社の競争力を向上させるシステムを実装することが要件になります。
プロジェクトメンバーが多様な探索領域で獲得した先端情報、新領域への知見、競争環境への洞察、現場から掘り起こした未来の予兆、ならびに、自分たちが着想してかたちにした独自のアイディア、システムのプロトタイ
プ、ビジネスモデル案などから優れた価値を発見し、それを可視化し、その追求を鼓舞するのは現研がなすべき役割です。そして、最終段階で、メンバーが企画した多種多様な価値ある提案を大きなスケールの戦略へと統合していく活動をサポートするのも私たちのファシリテーション機能です。

<参考>
プロジェクト:その言葉の意味

英語でいうprojectは、proとjectに分けられる。proは“前へ”の意味である。jectは“猛進する”、“投げ企てる”の意味で、自分の思想を強く対象にぶつけることである。
フランス語ではprojetで、proは“前へ”、jetは“投入”の意である。
以上で分かるように、原意ではプロジェクトは過去ではなく、常に前を、そして将来を目指す行動のことである。将来について、そのおおよそがわかっていない限り、何もできないのだから、プロジェクトは、まずもって将来を明らかにする行動でなければならない。
次に、主体である自己の行為における“前へ”について考えてみよう。それは自分の過去に向けられたものではなく、自分の未来そのものであるから、その行為は過去に形成された自己の革新である。

プロジェクトの原意について
〇名詞 :
project (英)( syn. plan, scheme ) 
pro : ラテン語系の接頭語として、before, forward…の意。
Ject : ラテン語 jecere → jet ( 猛進する )、throw ( 投げる )転じて、自分の思想を強く伝える。

動詞 : project (英) ( syn. propose, throw. etc. )
〇projet (仏) ( syn. idee, plan, resolution, programme, etc. )
pro : en avant ( 前へ )
jet : 動詞のjeterより、投入、投擲の意。

〇Projet - 投企(とうき)
実存主義用語。絶えず自己を超えていく働き。自己の存在の可能性を未来に向かって投げ企てること。現存在が常時、既に自己の可能性に開かれている構造においての能動的側面をいう(広辞苑 第6版)

出典:鈴木成裕著『実践「経営プロジェクト」講座』(プレジデント社)