少し古いが、2010年9月3日付の毎日新聞にJTBモチベーションズが全国の20歳から40歳代の男女各300名にインターネットで実施した「職場と恋愛」に関するアンケート結果が掲載された。
@恋人にしたくないタイプ:
1位 「役職や昇進へのこだわりが強い出世志向の人」 41%
2位 「高報酬にこだわる人」 19%
A恋人にしたいタイプ:
1位 「仕事を楽しむ人」 29%
2位 「プライベートを優先する人」 24%
要するに、好みや楽しい事を優先し、努力・我慢・忍耐などをするタイプは恋人としては嫌われるようだ。結婚相手としてはどうかが分からないが、似たようなものだろう。
肉食獣は努力して獲物を追い上げ、全力で獲物を捕らえる。草食動物は自然に生えている草を食し、草が無くなったら移動し、肉食獣に追われたらただ逃げるだけ。敵が攻めてきたら戦わずに逃げるという若者がいるが、まさに草食系だ。そして、今の日本は上記アンケートに示すように、草食系国家になりつつあると思う。
また、同紙に留学に消極的な若者の「内向き志向」についてものっていたが、文部科学省が3ヶ月未満のショートビジット(短期滞在)制度を本年度から実施し、1ヶ月当たり8万円の滞在費と片道航空運賃8万円を上限に支給するという。「わざわざ外国に行かなくても」という若者が増えたためらしい。
昨年、ある会合で講演者が話していたが、外国人投資家になぜ日本に投資しないかと聞いたところ、日本の若者には車を買って可愛い女の子を隣に乗せてドライブしたいという若者らしい欲求が無い、このような無気力な若者の多い国には投資しないという答えが返ってきたそうだ。
また、昨年9月末にNPO法人“次世代育成フォーラム・リスタ”が発表した調査結果だが、学力が高い子供ほど草食系で、良い大学に入り安定した生活を目指し、学力が低い子供は肉食系で、夢が大きく野心的。今はただ学力テストで結果が出せないだけとの内容であった。(10年9月29日付け毎日新聞)
以上の4つ、人によっては「近頃の若い者は・・」という嘆きにつながるかとも思うが、見方によっては、超先進化した日本ともとれる。先進国は車を使わなくても移動手段には困らず、省エネかつエコな乗り物を利用する方がスマートと考え、車の運転免許証を取ろうともしない若者がいても不思議ではない。
価値観も変わり、結婚の目的が生殖という古い考え方から180度転換し、結婚しても子供を作らないカップルや同性結婚が増えてきている。生殖にまで国家が口出しするなという考え方のようだ。
徴兵も無く、飢えたことも無く、たいした努力をしなくても、ソコソコに働けば何とか生きていける社会というのは、超先進国にしか見られない。目標とするレベルが発展途上国とは根本的に異なるのだ。
しかし、時代が変わったと言っても、過去に1位を目指してきた世代としては「2位ではダメなのですか」という発想には苛立ちを覚える。現代社会は次第に「1位が総取りする」社会に変質しつつある。自社のスタンダードがデファクト・スタンダード(事実上の世界標準)になるのは1位を取った者のみに限られる。
日本は、ローマ帝国の末期症状に似ている。安逸を好み、より強い刺激の娯楽を求め、最後には剣闘士による殺し合いや、ライオンとの戦いなどにうつつを抜かし、ついには内部から崩壊した。
国家の興亡を見ると、過去には強大国であったが、今は残光しか見られない国がある。超先進化した日本がどうなるか。刺激を与えるためには、突き放して再び這い上がらせるしかないのだろうか。
ハングリー精神は、ハングリーな状態に落とし込まないと出てこないのだろうか。目標を与えなければ動かない若者たち、若者に夢を与えることができないような世襲社会、子供の躾に自信をなくした親たち。
「久遠の夢にふけりたる栄華の巷ひくく見て・・・」などと言ったら、恋人が持てない時代になった。これを初期超先進化現象と呼んだらお叱りを受けるだろうか。勝手ながら後期超先進化現象については怖くて書けない。 (産検リポート325、インフォメーション・アトランダムより) |